何が起きたか
9月3日、創金合信北京国有資産REITが深セン証券取引所に上場し、同取引所における初の商業用不動産REITとなった。取引開始直後に20%超下落し、終値ベースでも10.99%安で取引を終えたことを受け、原始持分保有者の関連会社が最大1000万口の買い増しを行う可能性があるとの発表があった。
これは上場REITにとって7例目の元本割れ案件であり、うち5件は2024年以降に発生している。9月4日時点で、CSI REITs総合収益指数は2025年6月につけた高値から15%超下落しており、2026年より前に上場した78本のREITのうち66本(84.62%)が今年下落し、5銘柄は30%超の下落となっている。
市場の流動性も低迷しており、2026年は6か月にわたり月間回転率が10%を下回った。2021年6月以降で回転率が50%を超えた月はわずか3か月しかなく、いずれも2021~2022年に集中している。
なぜ重要か
相次ぐ元本割れ案件と広範な下落は、プライマリー市場とセカンダリー市場の価格形成における乖離を浮き彫りにしている。プライマリー価格が評価額(バリュエーション)に依拠する一方、セカンダリー価格はリアルタイムの期待を反映して変動するため、上場後の調整局面につながっている。
背景にある構造的な問題としては、REITの多層市場間を結ぶ譲渡(トランスファー)の仕組みが欠如していることが挙げられ、これが非効率とコスト負担を生んでいる。加えて、長期資金の評価サイクルとのミスマッチもあり、REITが本来長期の株式性資産であるにもかかわらず、短期的な売却圧力につながる可能性がある。
専門家は、機関投資家向けREITから上場REITへの移行チャネルを改善し、専門的な不動産アセットマネジメントへと進むことで、価格形成の効率性と市場の活力を高められると指摘している。
主なファクト
9月4日時点で、2026年より前に上場した78本の上場REITのうち66本が今年下落しており、比率にして84.62%に達する。
CSI REITs総合収益指数は2025年6月につけた高値から15%超下落した。
創金合信北京国有資産REITは上場初日に10.99%安で取引を終え、関連会社が最大1000万口の買い増しを計画している。
今後の注目点
機関投資家向けREITから上場REITへの、よりスムーズな移行の仕組みを構築する政策的な動きが出てくるかどうかが注目される。実現すればコスト削減や資産の流動性向上につながり得る。
保険会社など長期投資家が、REITの長期性という特性に合わせて評価サイクルを見直すかどうかも注視される。実現すれば市場の安定化につながる可能性がある。
新規上場のREITが引き続き元本割れの圧力に直面するかどうかも観察点であり、プライマリー市場における価格形成の課題が続いているかどうかを示すシグナルとなる。
