何が起きたか

ナスダック100指数は、数カ月続くもみ合いレンジの下限に迫っている。寄り付き前の取引では、NDX先物がこれまでの上昇トレンドラインを割り込み、さらに100日移動平均線も下回り、短期的なテクニカル構造が弱含みとなった。

一方で、資金は足元でハイテク株へ還流している。ゴールドマン・サックスのプライムブローカレッジ(大口取引仲介)データによると、ヘッジファンドは過去11営業日のうち10営業日で米国のテクノロジー・メディア・通信(TMT)セクターを買い越しており、買いは主に半導体および半導体設備に集中している。

半導体セクターのテクニカル面はさらに弱い。半導体ETF(SMH)は寄り付き前に544ドル付近で取引され、すでに保ち合いレンジの下限を割り込み、100日移動平均線も下回っており、200日移動平均線はさらに低い水準にある。

なぜ重要か

ハイテク株の買い持ちポジションは、テクニカル構造が悪化し始める直前に構築されたばかりであり、これは市場が一部の買い持ちポジションを解消し始めれば、価格変動がさらに増幅されかねないことを意味する。

ゴールドマン・サックスのデータによると、TMTのモメンタムの勝ち組と負け組の間の200日ボラティリティは約76であるのに対し、S&P500指数はわずか13であり、ハイテク株内部の分化とボラティリティが市場全体を大きく上回っていることを示している。

AIの安全性をめぐる論争と、サウジの石油パイプラインの停止継続という2種類のリスクは性質が異なるものの、いずれもハイテク株の再評価(リプライシング)を促す触媒となり得る。

主な事実

NDX先物は寄り付き前に上昇トレンドラインを割り込み、100日移動平均線も下回った。

ゴールドマン・サックスのプライムブローカレッジデータによると、ヘッジファンドは過去11営業日のうち10営業日で米国のTMT株を買い越しており、2週間の買いのペースは過去5年で第97パーセンタイルに達した。

半導体ETF(SMH)は寄り付き前に544ドル付近で取引され、保ち合いレンジの下限を割り込み、100日移動平均線も下回った。

今後の注目点

寄り付き前の値動きだけでは中期的なトレンド転換を確認するには不十分であり、その後に重要な移動平均線を再び回復できるかどうかが引き続き重要な観察点となる。さらに下方ブレイクが確認されれば、200日移動平均線がより重要な中期の支持線となる。

AIの安全性をめぐる論争は現時点ではバリュエーションや期待の面のリスクに近い一方、エネルギー供給の問題は原油価格やインフレ、金融政策に波及し得るため、市場全体への影響はより直接的である。

現在、NDXと半導体セクターにはテクニカル構造の弱含みの兆しがすでに現れているが、VIXにはそれと完全に一致するような上昇はまだ見られず、市場は潜在的な変動に対する織り込みが依然として比較的抑制されている。仮に重要な支持線が破られてもなお警戒感が低水準にとどまれば、ボラティリティの再評価の余地はより大きくなる可能性がある。

出典