何が起きたか
中国マクロ経済研究院の徐策氏と中国経済信息網の張浩然氏は寄稿の中で、次世代通信網はデジタル中国の運営を支える情報の大動脈であり、あらゆるモノが知的につながる時代の接続基盤であると指摘した。また、「六つの網」体系の中で、技術の刷新が最も速く、グローバル化の度合いが最も高く、浸透と価値付与の範囲が最も広い基盤インフラ網でもあるとした。
論考は、次世代通信網の建設を加速することには、内需拡大・基盤固め・高地の奪取という三重の戦略的意義があると提起している。すなわち、通信投資によって経済の安定成長に新たな増分をもたらし、ネットワーク強国・製造強国・科学技術強国とデジタル中国の建設に向けて基盤的な支えを固め、さらに6G標準と周波数・軌道資源をめぐる世界的な競争の中で、再生不可能な戦略的資源を先取りするということである。
論考によれば、中国の通信網構築は、人と人をつなぐ地上カバー網から、人・機械・モノ・知能体が遍在的につながる空・宇宙・地上・海一体型のネットワークへと加速的に移行しつつあり、基礎ネットワーク・宇宙ネットワーク・国際ネットワーク・融合ネットワークという四つの方向に沿って体系的に整備が進められているという。
なぜ重要か
論考は、次世代通信網を「六つの網」体系の接続ハブと位置づけ、それが算力網(コンピューティングパワー網)・新型電力網・水網・都市地下管網・物流網と、双方向で価値を高め合い、互いに促進し合う発展の構図を形成するとみている。複数の網が連携することで統合効果を引き出せるという。
筆者らの見方では、通信投資は土地・鋼材・セメントに依存する従来型のインフラ建設とは異なり、その乗数効果は高度製造業とデジタルサービスを通じて段階的に増幅されるため、「十五五」(第15次五カ年計画)における内需拡大の重要な注力点とみなされている。
論考は、次世代通信網が、投資規模が巨大で、資産の回収期間が長く、技術の世代交代が速いという特徴を備える一方、周波数・軌道という戦略的資源の獲得の好機は限られ、時間的な制約が強いと強調する。そのため、建設投資の好機は差し迫っており、遅れは許されないとしている。
主な事実
論考は、今後5年間の次世代通信網の建設が、川上・川下の総産出を約7万亿元押し上げ、GDP成長率を約1.5ポイント押し上げると提起している。
論考によれば、今年1~4月の情報伝送業への投資は前年同期比29.2%増となり、各業種の中で最も高い伸びを示した。
論考によれば、2026年6月末時点で、モバイルIoT端末のユーザー数は29.94亿户に達し、携帯電話ユーザーを11.5亿户上回った。
論考によれば、2026年上半期の電気通信事業収入は8873亿元で前年同期比2.1%減、同期のモバイルインターネット接続トラフィックは2197亿GBに達し前年同期比17.7%増だった。
論考によれば、3GPPはR21バージョンの推進スケジュールを明確化した。2027年3月に第1段階のフリーズ、2028年末に機能フリーズ、2029年3月に全バージョンの最終フリーズを完了し、世界初となる6G技術規格を公表するとしている。
論考によれば、中国の6G特許出願件数は世界全体に占める割合が40%を超え、世界の第一グループに位置している。
論考によれば、中国はすでに国際電気通信連合(ITU)に対し、20.3万颗の衛星の周波数・軌道資源を申請している。
論考によれば、2026年6月末時点で、全国の5G基地局の総数は510.2万个に達し、5G携帯電話ユーザーは12.88亿户、ギガビット・ブロードバンドのユーザーは2.58亿户となった。
論考によれば、全国で「すべての県にギガビット回線、すべての郷に5G」を実現し、行政村では100%がブロードバンドに接続し、95%以上が5Gに接続している。
論考によれば、2026年6月末時点で、5Gとギガビット光ネットワークの応用はすでに94个の国民経済大分類に浸透し、5G業界向け仮想専用網(バーチャルプライベートネットワーク)は8万个を超えた。
今後の注目点
論考は、政策・産業・企業の三層からなる協調体系を構築し、周波数・軌道資源の確保、産業クラスターの生態系、標準の輸出、モデルのイノベーションといった側面から連携して力を注ぎ、建設投資を着実に成果へと結びつけるべきだと提起している。
論考は、「十五五」(第15次五カ年計画)の期間には、制度上の障害を取り除き、社会資本を効果的に引き出し、市場の活力を十分に喚起することに注力し、産業の高度化と消費の高度化という二重の成長エネルギーを持続的に引き出す必要があるとみている。
今後は、基礎ネットワーク・宇宙ネットワーク・国際ネットワーク・融合ネットワークという四つの方向での整備の進捗、ならびに6G標準のフリーズや周波数・軌道資源の申請といった重要な節目に注目したい。
