何が起きたか
屋宇署は9月9日、2025年11月26日に大埔の宏福苑で発生した火災に関わる大規模な建物改修工事をめぐり、2社および4名に対して合計259件の起訴を提起した。訴因には、建築工事の実施にあたり不適切または《建築物条例》の条文に適合しない資材の使用を許可もしくは承認した疑い、建築工事を許可または承認しながら検査もしくは工事の進め方によって人身への負傷および財産の損壊を招いた疑い、さらに改修工事を適切に監督しなかったことなどが含まれる。
起訴された2社は、宏福苑の改修工事のエンジニアリング顧問会社である鸿毅建筑师有限公司と、工事の総請負業者である宏业建筑工程有限公司である。起訴された4名は、鸿毅の取締役である黄侠然氏、鸿毅が雇用した登録検査員の吴跃氏、および宏业の2名の取締役である侯华建氏と何建业氏である。
屋宇署の報道官によると、火災後、屋宇署と房屋局(住宅局)の独立審査チームが当該の大規模改修工事を全力で調査した。調査の結果、エンジニアリング顧問会社が雇用した登録検査員は所定の改修を適切に監督しておらず、建物の安全を確保しておらず、また安全な状態にもしていなかったことが判明した。工事の総請負業者およびエンジニアリング顧問会社は、工事の実施期間中に、難燃性でない足場ネットおよび帆布の使用、難燃性でない発泡スチロール板による窓の遮蔽を許可もしくは承認し、さらに階段の避難通路の窓を撤去して俗に「生口」と呼ばれる開口部を設け、それを難燃性でない資材で覆った疑いがあり、これにより火勢が急速に拡大し避難を妨げ、最終的に168人が死亡、79人が負傷する事態を招いた。
なぜ重要か
今回の起訴は、火災そのものの調査にとどまらず、改修工事の顧問と請負業者に矛先を向けており、規制当局が《建築物条例》に基づき工事の連鎖上の各当事者の責任を追及していることを示している。
本件は資材の難燃性や避難通路の改変といった具体的な訴えに関わっており、これが認められれば、香港の建物改修工事における監督基準や作業慣行に圧力をかける可能性がある。
宏业はすでに登録一般建築請負業者の名簿から抹消されており、屋宇署は、抹消によっても刑事責任やその他の法的責任は免除されないと明言し、関与した登録建築専門職を懲戒委員会に付託するとしており、これは行政上・懲戒上の帰結が刑事手続きと並行しうることを意味している。
主な事実
屋宇署は宏福苑の火災に関わる大規模な建物改修工事をめぐり合計259件の起訴を提起し、2社および4名が対象となっている。
起訴された会社は、エンジニアリング顧問会社の鸿毅建筑师有限公司と工事の総請負業者である宏业建筑工程有限公司である。
起訴された人物は、鸿毅の取締役である黄侠然氏、登録検査員の吴跃氏、および宏业の取締役である侯华建氏と何建业氏である。
調査によれば、工事期間中に難燃性でない足場ネットおよび帆布の使用、難燃性でない発泡スチロール板による窓の遮蔽、さらに階段の避難通路の窓を撤去して「生口」を設け難燃性でない資材で覆った疑いがあり、最終的に168人が死亡、79人が負傷する事態を招いた。
宏业は2026年初めに屋宇署へ登録一般建築請負業者を辞任する旨を通知し、屋宇署は2026年2月に《建築物条例》に基づき同社を名簿から抹消した。
今後の注目点
本件が司法手続きに入った後、検察側が資材の難燃性や監督責任についてどのように立証するか、また弁護側がどのような抗弁を行うかが注目される。
屋宇署は、関与した登録建築専門職を処分の検討のため懲戒委員会に付託するとしており、関連する懲戒手続きと刑事裁判の進展が並行して進む可能性がある。
宏业が名簿から抹消された後、同社が手掛けていた既存の改修工事案件の引き継ぎ手配や所有者(業主)への影響については、今後の続報が待たれる。
